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2013年4月23日火曜日

呼吸器学会総会2013雑感

2013年4月19日~21日の3日間、東京で日本呼吸器学会総会が開催されました。その雑感をメモとして書きます。


びまん性肺疾患
・移植についてのコンサルトは早い方が良い。LAMは進行がゆっくりのケースが多いのに対し、IP症例の待機中生存率は低い。
・間質性肺炎合併肺癌症例に対する外科的切除で、AEが生じるリスクをスコア化で予測する試みがある。
・CPFEがらみの演題が多かった。
・間質性肺炎合併肺癌の多施設共同前向き研究の結果は興味深い。non-smallで最も用いられたCBDCA+PTXのAE合併率は、これまでの報告より高い。
・抗ARS抗体、抗CADM140抗体に関する報告が増えていた。
・IIPの新ガイドラインに関する解説。
・CHP診断の決め手は、吸入誘発しかない?
・モストグラフの話題がちらほら。

喘息、COPD
・いわゆるOverlap症候群に関する講演が多かった。これは、喘息、COPDともに目立った話題が少ないことによるのか?
・COPDではインダカテロールに関する検討が多かった。結果は、日常臨床で感じているとおり。
・ともにフェノタイプに注目。
・COPD exacerbationに、やっぱり肺炎は入れない。合併症だと。

肺炎
・NHCAPがらみは実に多い。(私も演題出しました)
・ガイドライン発表後も、推奨治療はあまり浸透していないよう。
・プロカルシトニン関係の演題も多かった。(ウチも出しました) CAPには有用かも。
・CJLSG0901はもっと大きく取り上げて欲しかったな。
・肺炎の原因にOSASが隠れているかも?

その他
・胸部以外のOpe適応に関して、呼吸機能検査の明確な基準はない。(この企画は、本当に勉強になりました)

肺癌領域はあまりみてきませんでした。

最後に、付け加えると… (東京国際フォーラムではいつものことですが)
・参加費17000円高い。
・立ち見が多かった。もっと席をくれ!
・ランチョンの弁当も足りない!
・ポスター発表は狭いのに声が通らず、非常に聞きにくい。

では、また来年!

2 件のコメント:

  1. いつも拝見しております。はじめてコメントさせていただきます。
    CHPの血清診断(特異抗体)はあてにならないということでしょうか。
    また吸入誘発ってどのようにやるのでしょうか?

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  2. 血清診断は残念ながら今ひとつです。問題となるのは慢性鳥抗原曝露です。日呼吸誌2011:49;717-722に血清抗体が報告されていますが、感度が低めです。病理からCHP疑いとなっても、臨床側からそうだと強く言えないところがもどかしいです。吸入誘発で使用する抗原は自前で作っているようです。しかも誘発試験ですから、一般市中病院では難しいですね。

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