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2013年11月30日土曜日

アレルギー学会秋季大会2013 雑感

2013年11月28日〜11月30日 日本アレルギー学会秋季大会が開催されました。いつもの様に雑感をメモします。



吸入指導について
個人的に、この学会関連の活動の中で最も関心があるところです。結構多数の聴衆がいたように思います。
・吸入指導の講習会や病薬連携を新たに始めるところがあり、着実に増えている。
・その中で吸入手技のチェックリストは欠かせないツールである。
・ERに携わる研修医への吸入指導講習とテストをしている施設があった。(これはすばらしいと思いますので、私達も導入してみようと思います。ただし気をつけなければいけないことは、必ず近日中に専門医の外来を受けさせることです。禁煙や今後も吸入を継続することなど、伝えなければならないことがあります。)
・滋賀県の全県の取り組みはユニーク。大学の学園祭に出店するなど、一般人への踏み込みがすばらしい。
・高齢者もちゃんとできる。むしろ時間が無い30, 40歳台がダメ。
・吸入指導して一旦は完全にできるようになっても、6ヶ月後には20%が誤った操作法を行っていた。
・一方で、吸入指導が大切な事は理解できるが、例えばディスカスを水平に持つなど細かいところまできちんとできないと、その効果は無いのだろうか?という、するどい質問もありました。

喘息その他
・SMART療法は、頓用吸入の使用回数を減らす効果もある。中等症までなら良い治療法だろう。
・COPDに対する効果はSFCよりFBCの方が高そう。
・FBCではSFCで報告されているような肺炎の増加はみられなかった。
・ASK-20というアドヒアランスに関するツール。日本語のValidationも済んでいる。
・レルベアに関する情報。

膠原病
今回はちょっとしか聞けませんでした。
・RAに対する生物学的製剤の使用でHBVの再活性化が5%で起こるが、ほとんどがウィルスを検出せず自然に抗体は再陰転化する。座長から、これは生物学的製剤だけで無く、少量ステロイドや免疫抑制剤でも同様で、やはり5%ほどで軽い再活性化が起こるとの補足がありました。

個人的に一番心に残ったのは、男女共同参画です。
・安定期には同種集団が良いが、個性は喪失する。変革期には異種集団が向いている。異種集団は多様性を持ち組織を大きく変革していくことができるが、意見の集約に時間が掛かることと強力なリーダーシップが必要となるなど問題点もある。
・現在の社会構造のままでは、次の世代が支えきれない。女性と外国人の積極的な社会参加が必要となる。

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