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2012年5月8日火曜日

良性疾患のSedation

緩和ケアが注目され始めて時間が経ちました。今では、分野を問わずとても大切なジャンルとして確立していて、ここ数年は厚労省もその普及に力を入れています。
しかしながら、その対象は主に悪性疾患の患者さん達です。確かに、化学療法や放射線治療などの効果が期待できなくなった患者さん達に、まだ私達が出来ることがあると力強く宣言するのはとても良い事だと思います。


しかし、良性疾患であってもとても予後の悪い疾患患者さんに対して、私達は何をしてあげられるのでしょう?



IPFの急性増悪はとても予後が悪く、つらいモノです。急性増悪を戻しきれない場合や、亜急性増悪(私の勝手な造語です)の場合は、より悲惨です。ベッド上で動けない日々が続くのですから…。


現在、こういった良性疾患の終末期にも保険適応がある薬剤はありません。(もし間違っていたら、教えて下さいね) 癌であれば使える薬剤が増えるのに…、って思うことありますよね?


こういった場所で表立って議論は出来ませんが、各病院、あるいは各医師がそれぞれ工夫して対応しているのが現状だと思います。これはある意味ストレスフルな状況です。


当然私達ができるのは薬剤の投与だけではありません。また、安易なSedationは問題でしょう。
ではありますが、やはり薬物治療は私達の強力な武器なのです。


緩和ケアが確立してきて、良性疾患への対応も拡大してきています。
その広がりに期待を込めて。

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