第62回アレルギー学会秋期学術大会が大阪国際会議場で、2012年11月29日~12月1日まで開催されました。その雑感をメモしておきたいと思います。あくまで個人的感想です。
喘息
喘息臨床領域での話題は以下の点に集約されます。
・配合剤の使い方(SMART、対軽症例、ステップダウン法)
・COPDとの合併
・高齢者喘息
・吸入指導と医療連携
・重症難治性喘息
喘息は次第に制圧されつつあり、話題も減ってきている印象。
軽症小児例において、発作期間のみのICS使用と、ICS継続使用で増悪率に差がないという論文が紹介されていました。小児領域では成長抑制の問題もあり、まだICS継続使用に関して異議があるよう。小児科の先生と話すと、「小児は成人に比べて遅れていますから。」と言われるが、実はそうではないかも。というのも、成人でもたまにしか発作を起こさない人は、すぐに通院を止めてしまうケースに良く遭遇しますが、その多くはそれで問題ないように感じます。massでみてしまえば、これは正解なのかもしれません。しかし、個々にみると肺機能が落ちていったり、重症難治化する例が少数ですが存在するので、大きな声で先程の意見を言うわけにはいきません。
またこれも小児領域ですが、βをできるだけ使用して気道平滑筋の収縮をできるだけ抑制することが重要という考え方が繰り返し聞かれました。ICSに追加すべき薬剤として、すでにLABAが確立した感がありますが、この考え方は軽症でも配合剤を使用するという戦略につながっていくかもしれません。メーカー側が配合剤へ舵を切っていることもありますし、病診連携でのステップダウンの難しさもあります。ICS単独療法に対する論調がこの先どうなっていくのか、考え方をニュートラルにすべきかもと感じました。
間質性肺炎
発表施設も非常に少なく、議論も盛り上がらず、非常に寂しいこととなりました。やや停滞した領域であること、マニアックな話になりつつあることが原因でしょうか。
過敏性肺炎のセッションは参加できなかったのですが、勉強になったと聞きました。
膠原病
こちらも寂しくなりました。呼吸器内科医にとって、膠原病の知識が得られる良い機会だったのですが質・量とも落ちている気がします。
個人的にはステロイド外用剤の講演が非常に勉強になりました。こういう普段絶対に聞かない講演に出会えるのが、アレルギー学会の良いところなんですよね。
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