膠原病の診断は、私達シロウトには難しいものです。皮膚所見もとても重要なのですが、全ての皮膚科医が皮膚筋炎に精通しているわけではありません。そこで私達はどうしても自己抗体に頼りがちになります。皮膚筋炎の自己抗体として有名なのが、抗Jo-1抗体です。これは商業ベースに乗っているので、保険診療で測定可能です。最近は耳慣れない自己抗体名を目にする機会も増えましたので、 頭の整理をかねて書いてみます。
筋炎特異的自己抗体と筋炎関連自己抗体
筋炎特異的自己抗体と筋炎関連自己抗体と言う言葉をご存じでしょうか。筋炎特異的自己抗体(myositis specific autoantibody)とは、筋炎に“比較的”特異的にみられる自己抗体で、その代表が抗Jo-1抗体です。一方、抗SS-A抗体は筋炎患者においてしばしば陽性になりますが、他の膠原病(SS-Aならシェーグレンですね)でも陽性になるため、筋炎関連自己抗体(myositis
associated autoantibody)と呼ばれています。
抗ARS抗体
上の表の中でも良く目にするのが、抗ARS抗体と抗CADM140抗体でしょう。抗ARS抗体とは、アミノアシルtRNA合成酵素を対応抗原とする自己抗体群の総称で、現在8種類が知られています。上の表には抗Jo-1抗体は記載されていませんが、抗Jo-1抗体は抗ARS抗体の最も有名なものなのです。
抗CADM140抗体
そしてもう一つ重要なのが、抗CADM140抗体です。こちらは急速に進行する極めて予後の悪い間質性肺炎合併例(呼吸器内科医なら経験したことのあるアレです)に特徴的な自己抗体です。抗ARS抗体ほど陽性例は多くありませんが、臨床的にとても重要な抗体だと思います。
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