新年の始めは、心構えについて書きたいと思います。
私は医師となって働き始めた初日に、「患者さんのためになる医師になろう。」と単純に思いました。それ以後この考えは私の基本となり、悩んだときにはいつもこの基本に戻って考えてきました。
今の私のポリシーは、「自分が受けたいと思う医療を提供する」です。反対に、「自分がやって欲しくないことはやらない」も当てはまります。
もちろん、自分の価値観を強要することはしません。判断が分かれそうな場合には、基本的にはメリット/ディメリットを提示して選択してもらうというスタンスでいます。しかし、患者さんおよびその家族は、ほとんどの場合で医療に関して素人です。助言を必要とすれば、「私としては、こうした方が良いと思います」と、自分の価値観を伝えます。完全にオープンクエスチョンにして、判断を患者さんおよびその家族にゆだねる医師を見かけますが、それは医療のプロとして如何なものかと思います(相手が助言を求めている時の話です)。
経口摂取不能な誤嚥性肺炎の患者さんに経管栄養をしますか?
多くの場合で本人の意思表示は不可能です。自分ならどうして欲しいですか?
間質性肺炎の患者さんにVATSをしますか?
私は自分が間質性肺炎になったら、VATSを選択します。
化学療法無効の肺癌患者さんが更なる治療を希望しています。
本人の気持ちはとても大事ですが、自分が逆の立場だったらどうするのか考えてみる事も大事です。もちろんここではEBMは関係ありません。
故スティーブン・コビー著の「7つの習慣」に、理解してから理解されるという項目があります。こちらの要求を押しつけるだけではいけません。相手の立場になって考えることが大切なのだと思います。
All For Patients!
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